3-5-3.ハウスの解釈法
ハウスとは?
ホロスコープは12のハウス(部屋)に分かれています。ホロスコープを作る時に、生まれた時刻や場所が分かると「ハウス」を作る事ができます。ハウスが分かると、「どういった人生を送るのか?」「どんな職業適性があるのか?」「どんな家庭・どんなパートナーに恵まれるのか?」といったようなテーマを占うことができるようになります。
ハウスの意味
ハウスには次のような意味があります。ハウスとハウスの境界線のことを「ハウスカスプ(カスプ)」と呼び、ハウスが始まる場所は特に強い意味を持ちます。このうち、第1・4・7・10ハウスのカスプには強い意味があり、それぞれ「アセンダント(上昇点・ASC)」、「イムム・コエリ(天底点・IC)」「ディセンダント(下降点・DSC)」、「ミッドヘブン(天頂点・MC)」と呼びます。
第1ハウス 人生・人物像・自分自身
第2ハウス 金銭・財産
第3ハウス 情報
第4ハウス 家庭
第5ハウス 恋愛・趣味
第6ハウス 身体の健康
第7ハウス パートナー
第8ハウス 性・死・遺産
第9ハウス 専門性・海外
第10ハウス 職業・名声
第11ハウス 友人・希望・願望
第12ハウス 秘密・心の健康
各ハウスは連携しています。第1ハウスは、「人」を、第2ハウスは「もの・お金」を、第3ハウスは「情報」を表します。つまり、最初の三つのハウスで「人・もの・金・情報」という人生を過ごす上で必要な情報が暗示されているのです。
次に、第1ハウスから3つ進んだ第4ハウスは、「家庭・職場」を表します。第1ハウスの意味は「人」でしたが、「人が所属する場所」ということで、「家庭」となります。同じように、第2ハウス「もの・金」から3つ進んだ第5ハウスは、「お金が所属する(自分でお金を掛ける)場所(直訳)」という意味から、「趣味や恋愛、子ども」となります。そして、第6ハウスは、「自分についての情報(直訳)」という意味から、「自分の病気や体質」となります。
第1ハウスから第6ハウスまで、つまり水平線の下にあるハウスは「自分自身」をあらわします。そして、水平線の反対側(上)は「自分自身が相対する人」となります。たとえば、第7ハウスは、自分自身のいつも反対側にいる人、すなわち、「パートナー」となります。また、第4ハウス「家庭」の反対側にある第10ハウスは、家庭の反対側で「職場」となります。学生さんなら「学校」です。この第1ハウスと第7ハウスのように、対立するハウスのことを「軸」と呼びます。軸には6種類あります。たとえば、第1ハウスと第7ハウスは「自分」と「パートナー」をあらわすので、「人物軸」と呼びます。ハウスや軸にどのような天体が分布・集中しているかによって、ハウスから読み取れる情報が増えるのです。
アンギュラーハウス・サクシデン卜ハウス・キャデントハウス
アンギュラーハウス
第1ハウス・第4ハウス・第7ハウス・第10ハウスのことを、「アンギュラーハウス」と呼び、最も重要なハウスです。ここに天体が集中する方は、運勢が強く、あらゆるチャンスをつかんで野心的に前進していこうとする方が多いです。多くのチャンスに恵まれ、社会的に名を知られ、人々の上に立つ運勢が与えられる傾向があります。また、各アンギュラーハウスの先頭を「アングル」と呼び、特に強い意味を持ちます。
サクシデン卜ハウス
第2・5・8・11ハウスのことを、「サクシデン卜ハウス」と呼び、ここに天体が集中すると、アンギュラーハウスのようなチャンスは期待できませんが、努力と堅実さによって人生を伐り拓いてゆくことができると言われています。
キャデントハウス
第3・6・9・12ハウスのことを、「キャデントハウス」と呼び、ここに天体が集中する人は、運勢的には最も弱く、権力者の支配下で働くとか、下部の階層に属する社会に身を置くことになりがちで、社会に名を成すのはむずかしい運勢と言われています。ただし、忠実に勤勉に、奉仕精神を失わず仕事をすることで、実力者に従ってそのひき立てを得たり、よき位置を得ることができる運勢です。
ハウスの読み方
ハウスを使って分析するときは、12のハウスと6つの軸やアンギュラー・サクシデント・キャデントハウスにどのような天体が入るか確認します。ハウスに天体がある=そのハウスの意義が強まるとなります。例えば、第1ハウスに太陽が入ると、「人生(太陽の意味)=自分自身(第1ハウス)」となります。この方が自分中心の人生に特に主眼を置いていることより、「リーダーシップのある人」のように意味を捉えます。
第1ハウスに入る天体の意味
第1ハウスに天体が入ると次のような意味を持ちます。
太陽 リーダー
月 豊かな想像力
水星 積極的にコミュニケーションを図る
金星 魅力的な容姿が与えられる
火星 チャレンジ精神が旺盛
木星 目上の引き立てを得る
土星 要領が悪く自分にプレッシャーを与える
天王星 特殊な環境で育つ
海王星 高い芸術性が与えられる
冥王星 極端な人生観が与えられる
ハウスに天体が入らない時は?
ハウスに天体が入らないことを「エンプティハウス(Empty House)」と呼びます。ハウスに天体が入らないときは、どのように解釈するのでしょうか?例えば、第1ハウスに天体が入らないから「人生=絶望」となるのでしょうか?答えはNo!です。ハウスに天体が入らないときは、そのハウスの意義が弱まりますが、決してそのハウスの内容を否定するわけではありません。ハウスカスプのルーラーで判読してまいります。
次の表を見てください。エンプティハウスの場合は、ハウスカスプの十二星座がどの星座か?調べます。その星座がホロスコープのどのハウスにいるか?どの十二星座にいるか?で判読します。
表:十二星座とルーラー
おひつじ座 火星
おうし座 金星
ふたご座 水星
かに座 月
しし 太陽
おとめ座 水星
てんびん座 金星
さそり座 冥王星
いて座 木星
やぎ座 土星
みずがめ座 天王星
うお座 海王星
例えば、第1ハウスのカスプがおひつじ座とすると、ルーラーは火星です。火星があるのが第10ハウスとすると、「第10ハウスの火星」が第1ハウスの意図する内容になります。直訳すると、職業(第10ハウス)・行動(火星)なので、「仕事に情熱を燃やす人生を送る人」のようになります。
「ホロスコープ解読法(1)天体・十二星座」に戻る ┃ 「ホロスコープ解読法(3)アスペクト」にすすむ